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推薦書の書き方|教員のための依頼対応と文例【2027年度入試対応】

2026.10.09 更新日:2026.10.09
学校推薦型選抜の推薦書を、依頼対応の流れ・情報収集・基本構成・観点別の文例・提出前チェックリストまで、高校の先生方向けに整理しました。

学校推薦型選抜の出願が始まる9月から10月にかけて、進路指導や学級担任の先生方に集中するのが推薦書の作成です。複数の生徒から同時に依頼され、1通ごとに大学の様式も観点も異なるため、限られた時間のなかで質を保つためには、書き方の型と準備の手順を持っておくことが欠かせません。

本記事では、2027年度入試(令和9年度)の文部科学省「大学入学者選抜実施要項」に基づく推薦書の位置づけを確認したうえで、依頼から提出までの流れ、書く前の情報収集、記載の基本構成、そのまま応用できる文例、提出前のチェックリストまでを整理します。高等学校の先生方が、今日から実務に活かせる形でまとめました。

推薦書とは何か|調査書との違いと実施要項上の位置づけ

推薦書は、学校推薦型選抜において出身高等学校長の推薦に基づき提出する書類で、調査書とは役割が異なります。調査書が指導要録に基づく学習の記録(評定・出欠・活動事実など)を客観的に示す書類であるのに対し、推薦書は学校として生徒を推薦する理由を、評価の言葉で述べる書類です。

文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」では、学校推薦型選抜は「出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ評価・判定する入試方法」とされ、推薦書には本人の学習歴や活動歴を踏まえた、いわゆる学力の三要素——「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」——に関する評価を記載することが求められています。つまり推薦書は「人柄の紹介文」ではなく、3つの観点に沿った評価の根拠を示す文書として設計する必要があります。

あわせて、大学が推薦書のなかで「生徒の努力を要する点」など、入学後の指導において特に配慮を要する内容の記載を求める場合があることも、実施要項に明記されています。様式は大学ごとに異なるため、記載を始める前に必ず当該大学の2027年度の様式・記載要領を確認してください。

依頼から提出までの流れとスケジュール

推薦書の作成は、おおむね次の流れで進みます。学校推薦型選抜の出願開始は11月1日以降と定められているため、逆算すると9月〜10月が作成の山場になります。

  • 9月上旬〜中旬:校内選考の結果確定。推薦する生徒と出願先の一覧を作成し、大学ごとの様式・提出期限を確認
  • 9月中旬〜下旬:生徒本人からの資料回収(後述の自己申告シートなど)と、担任・部活動顧問・教科担当・探究学習の担当への照会
  • 10月上旬〜中旬:下書き作成→管理職・進路部での校内チェック→清書・校長印
  • 10月下旬:調査書など他の出願書類と突き合わせて最終確認、出願(11月1日〜)に備えて完成

ここで大切なことは、1通目の完成を早めることです。最初の1通で校内チェックの観点を固めておくと、2通目以降は同じ型で進めることができ、全体の作成時間を大きく短縮できます。また、2027年度入試からは総合型選抜・学校推薦型選抜で面接(オンライン可)が原則として課される運用が始まっており、推薦書の記載内容は面接の質問材料にもなり得ます。生徒本人が推薦書の内容を説明できるよう、記載した評価の根拠は生徒とも共有しておきましょう。

書く前の準備|材料を集める3つのルート

推薦書の質は、書き始める前にどれだけ具体的な材料を集めることができたかで決まります。そこで、次の3つのルートを併用するのが効率的です。

  • ① 生徒本人の自己申告シート:志望理由、高校生活で力を入れたこと、学習面・活動面の具体的なエピソード、志望学部と結びつく経験を、生徒自身に記入させます。志望理由書の下書きがあれば併せて回収します。
  • ② 関係教員への照会:学級担任・部活動顧問・教科担当・探究学習の担当に、その生徒の具体的な場面(授業での発言、役割、変化)を一言ずつ聞き取ります。書面やフォームで短く集めるだけでも、推薦書の具体性が大きく高まります。
  • ③ 調査書・指導要録との整合確認:評定平均値、出欠、資格・検定、表彰歴を確認し、推薦書に書く内容と食い違いがないかを先に押さえます。推薦書と調査書の記載に矛盾が生じると、書類全体の信頼性が下がります。

なお、評価の材料となる活動歴や探究の記録は、高1・高2の段階から蓄積されているものが土台になります。そのため、高3になってから集め始めるのではなく、日頃の面談記録や活動記録を残しておく仕組みを整えておくことが、翌年度以降の推薦書作成を確実に効率的にします。

推薦書の基本構成と書き方のポイント

大学指定の様式(自由記述欄)を想定した場合、次の構成が書きやすく、読み手にも伝わりやすい型です。

  • ① 推薦理由の総論(2〜3文):どのような生徒で、なぜ貴学・当該学部にふさわしいのかを先に言い切る
  • ② 学習面の評価:知識・技能、思考力・判断力・表現力等に関する具体的な場面と評価
  • ③ 活動面・人物面の評価:主体性・協働性が表れたエピソードと評価
  • ④ 結び:大学の教育方針・求める学生像と結びつけ、入学後の活躍見込みを述べて推薦文を締める

書き方のポイントは次の3点です。

  • 「事実+評価」をセットにする:「リーダーシップがある」だけでは評価になりません。「文化祭実行委員長として意見の対立する2つの団体の調整役を担い、双方の要望を整理して合意に導いた。異なる立場の意見をまとめる力は、貴学部の協働的な学びでも発揮されると考える」のように、具体的な場面→評価→大学での見込みの順で書きます。
  • 三要素の観点を意識して配置する:実施要項で求められている「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」のどの観点の評価なのかを意識すると、内容の偏りや抜けを防げます。
  • アドミッション・ポリシーと接続する:出願先大学・学部の求める学生像を確認し、結びの1文で生徒の強みと重ねます。どの大学にも同じ文面を使い回した推薦書は、読み手に必ず伝わります。

避けたいのは、抽象的な美辞の羅列(「真面目で誠実」「文武両道」のみで根拠がない)、調査書の数値の単純な転記、事実の誇張の3つです。特に誇張は、面接で生徒本人が答えられない事態を招きます。なお、大学の様式に「努力を要する点」などの記入欄がある場合は、課題となる点を挙げたうえで、それに対する本人の取り組みや今後の改善の見込みを添える書き方が基本です。課題だけを書き放しにすると、推薦の趣旨と矛盾する印象を与えかねません。

観点別の文例と言い換え

そのまま応用できる文例を、観点別に示します。生徒の実際のエピソードに置き換えてお使いください。

【学習面の評価(思考力・判断力・表現力等)】
「数学の授業では、解法を暗記するのではなく別解を探して比較することを好み、考えの過程をノートに言語化する習慣を持つ。課題研究では、地域の交通量データを自ら収集・分析し、結論に至る根拠を筋道立てて発表した。データに基づいて考え、伝える力は、貴学部での学修においても十分に発揮されると考える。」

【活動面・人物面の評価(主体性・協働性)】
「吹奏楽部では2年次からパートリーダーを務め、経験の浅い部員に合わせた練習計画を自ら作成した。全体の完成度が上がらない時期にも原因を部員との対話から探り、練習方法の見直しを提案するなど、課題に主体的に向き合う姿勢が際立っていた。」

【結び(アドミッション・ポリシーとの接続)】
「本人の探究心と、立場の異なる他者と協働して成果をまとめる力は、貴学の掲げる『地域課題の解決に主体的に取り組む人材』の育成方針に合致するものである。入学後の成長を確信し、本校を代表して推薦する。」

また、推薦書で使いがちな抽象語は、次のように具体化すると評価の言葉になります。「真面目」→「提出物の期限を3年間守り続け、誤りの指摘を素直に反映して改善した」、「リーダーシップ」→「〇〇の場面で合意形成の中心を担った」、「コミュニケーション能力が高い」→「初対面の地域の方への聞き取り調査で、相手に応じた質問を組み立てた」など、場面が目に浮かぶ記述への言い換えが基本です。

提出前チェックリスト

  • □ 出願する大学の2027年度の様式・記載要領を使っている(前年度様式の流用をしていない)
  • □ 学力の三要素それぞれに対応する評価が含まれている
  • □ すべての評価に具体的なエピソード(根拠)が添えられている
  • □ 調査書・志望理由書と記載内容が矛盾していない
  • □ 大学・学部名の表記が正式名称になっている(コピーによる他大学名の残存がない)
  • □ 名義(学校長名)・押印・日付・文字数など様式上の要件を満たしている
  • □ 生徒本人が推薦書の内容を面接で説明できる状態になっている

よくある質問

Q. 推薦書は誰が書くものですか?名義はどうなりますか?

A. 名義は出身高等学校長ですが、実際の起草は学級担任や進路指導の教員が行い、校内チェックを経て校長名で発行するのが一般的な運用です。起草者が誰であっても、学校としての評価を示す文書である点は変わらないため、個人の印象ではなく校内で共有された事実に基づいて書くことが大切です。

Q. 生徒が自分で書いた下書きをそのまま使ってよいですか?

A. そのまま使うことは避けるべきです。推薦書は学校側の評価を示す書類であり、生徒の自己評価をなぞっただけの文面は、視点が志望理由書と重複してしまいます。生徒の自己申告シートはあくまで材料とし、評価の言葉は教員の視点で書き起こしてください。

Q. 文字数はどのくらい書けばよいですか?

A. 大学の様式の指定に従うのが大前提です。指定がない自由記述欄の場合は、記入欄の8割以上を目安に、総論→学習面→活動面→結びの構成で埋めると、分量・内容ともに過不足のない推薦書になります。空欄の目立つ推薦書は、それ自体が消極的な印象を与えかねません。

まとめ

推薦書は、学校推薦型選抜の合否資料であると同時に、学校として生徒の3年間を評価の言葉にして送り出す文書です。実施要項で求められている三要素の観点を軸に、「事実+評価」の型で書き、調査書との整合と大学の求める学生像への接続を確認する——この手順を型として持つことで、複数の依頼が重なる9月〜10月でも、1通ごとの質を保つことができます。1通目を早めに仕上げて校内チェックの観点を固め、記載内容は生徒本人とも共有して面接準備につなげてください。

参考・出典

※ 本記事は2026年9月時点の公表情報に基づいています。各大学の推薦書の様式・記載要領は、必ず2027年度(令和9年度)の募集要項でご確認ください。最終更新:2026年9月

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