「教材づくりに時間を奪われて、指導に手が回らない」を解決する
年内入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)の対策が本格化する秋以降、先生方の手元には「小論文の演習素材」「基礎学力型の類題」「共通テスト形式の小テスト」など、生徒一人ひとりに合わせた教材が次々と必要になります。しかし、いざ教材を用意しようとすると、過去問を探し、集め、手入力し、体裁を整え、誤りがないか校正する――この一連の作業に想像以上の時間を奪われます。文部科学省の勤務実態調査(令和4年度)でも、高校教員の平日1日あたりの在校等時間は平均10時間を超え、成績処理や教材準備といった授業外の業務が勤務時間を圧迫している実態が示されています。
本記事では、教材作成の「3大ボトルネック(入手・打ち込み・校正)」の実態を整理したうえで、今日から取り入れられる時短ノウハウを紹介します。そのうえで、工夫だけでは残る課題と、それを補う「探す→選ぶ→出力」型のデータベース活用までを、比較表と具体的な作成例を交えて解説します。目標は、教材づくりに費やしていた時間を圧縮し、その分を添削・面接練習・進路相談といった「生徒に向き合う指導」へ振り向けることです。
教材作成の3大ボトルネック――「入手・打ち込み・校正」の実態
年内入試対策の教材づくりが重い理由は、単に「量が多い」からではありません。作業が3つの異なる負担に分かれ、それぞれで時間を消費するためです。ここを分解して理解すると、どこを機械に任せ、どこに先生の力を集中すべきかが見えてきます。
ボトルネック①:入手――「探し集める」だけで時間が溶ける
教科の学力型なら大学・学部・年度ごとに、小論文なら学部ごとの出題テーマごとに、共通テスト利用型なら年度ごとに――必要な過去問を探して集める作業は、想像以上に手間がかかります。大学の公式サイトに掲載されていない年度も多く、市販の過去問集は最新数年分しか載っていないことも珍しくありません。「去年使った問題がどこにあるか分からない」「同じレベルの類題を別の大学から探したいが見つからない」といった声は、多くの現場で共通しています。探すこと自体は指導の中身ではないにもかかわらず、ここで最初の大きな時間が失われます。
ボトルネック②:打ち込み――問題文・図表の入力とレイアウト
集めた過去問を演習プリントにするには、問題文を打ち込み、図表を作り直し、選択肢や設問番号の体裁を整える必要があります。数式・化学式・図版・グラフを含む理数系の問題や、長文を扱う国語・英語・小論文の課題文では、この打ち込みが特に重くなります。PDFからのコピーは崩れやすく、結局ゼロから入力し直すことも少なくありません。1枚のプリントを仕上げるのに30分〜1時間かかることもあり、複数クラス・複数レベル分を用意するとなれば、放課後や休日が消えていきます。
ボトルネック③:校正――ミスは「作った後」に効いてくる
手入力には入力ミスがつきものです。設問番号のズレ、選択肢の抜け、図表の取り違え、解答欄の不整合――こうした誤りは、生徒に配ってから発覚すると授業の進行を止め、信頼にも関わります。そのため配布前の校正が欠かせませんが、自分で作った教材を自分で見直す作業は見落としが起きやすく、二重チェックの時間も必要になります。「作る時間」と同じくらい「間違いがないか確かめる時間」がかかる、というのが校正の実態です。
この3つはいずれも、「どの問題を演習させるか」という本来の指導判断の“前”に発生する準備作業です。ここを圧縮できれば、先生は「選ぶ・組み立てる・教える」という付加価値の高い仕事に集中できます。
ツールなしでできる時短ノウハウ|3大ボトルネックを軽くする
特別なソフト等を導入しなくても、進め方の工夫だけで教材作成はかなり軽くできます。多くの先生方がすでに実践している定番の時短術を、3大ボトルネックに対応させて整理します。
入手の時短:情報源を「リスト化」し、作った教材を「資産化」する
- 入手源を定型化する:大学公式サイトの過去問公開ページ、市販の過去問集、学校で契約している教材データなど、教科ごとに「どこを見れば手に入るか」を一覧化しておくと、毎回ゼロから探し直す時間がなくなります。
- 作った教材を学内で資産化する:ファイル名の付け方(例:大学_年度_科目_単元)と保存場所を教科内で統一し、共有フォルダに蓄積します。「去年作った教材が見つからない」をなくすだけで、翌年以降の作成時間は大きく減ります。
打ち込みの時短:OCR・生成AIで「手入力」を減らす
- OCR(文字認識)でテキスト化する:紙やPDFの問題をスキャンしてOCRにかければ、手入力の大部分を置き換えられます。近年は生成AIに問題の画像を読み込ませて書き起こす方法も広がっています。
- 生成AIをドラフト作成に使う:類題の下書き、選択肢の言い換え、解説文のたたき台づくりなど、「ゼロから書く」部分をAIに下書きさせ、先生が吟味して仕上げる分業が有効です。
- レイアウトはテンプレート化する:ヘッダー・設問番号・解答欄の書式をWordテンプレートとして固定しておけば、体裁調整は流し込みだけで済みます。
校正の時短:「仕組み」でミスを拾う
- 校正チェックリストを作る:設問番号の連番・選択肢の数・図表との対応・解答との突き合わせなど、見るべき項目を固定化し、毎回同じ手順で確認します。
- 自分以外の目を通す:教科内での相互チェックや、生成AIに「誤植・番号ズレがないか」を読み合わせさせる使い方も、見落とし防止に役立ちます。
ただし、工夫だけでは残る3つの課題
これらのノウハウで教材作成はかなり軽くなりますが、実際に運用してみると次の壁に突き当たります。
- ①素材集めの限界:入手源をリスト化しても、必要な単元・レベル・形式の問題が都合よく見つかるとは限りません。大学公式で公開されない年度も多く、「探す」時間はゼロにはなりません。
- ②OCR・生成AIの精度と質:数式・化学式・図表はOCRで崩れやすく、修正の手間が残ります。また生成AIが作る問題は、入試問題としての質・難度調整・正確性にばらつきがあり、そのまま演習に使える水準のものばかりではありません。結局、先生による吟味・校正は省けません。
- ③著作権・出典管理:過去問の利用・改変には出典や権利面への配慮が必要で、AI生成物も含めて「この問題はどこ由来か」を管理する負担が発生します。
つまり、進め方の工夫は「打ち込み・校正」をある程度軽くできても、「質の担保された実際の入試問題を、必要な条件で素早く集める」部分が最後まで残るのです。ここを解決するのが、次に紹介する「検索できる問題データベース」の活用です。
さらに進める発想――「作る」のではなく「探す→選ぶ→出力」で回す
教材作成を根本から速くする発想の転換は、「一から作る」のをやめ、検証済みの入試問題を収録した検索できる問題データベースを土台にして、「探す→選ぶ→出力」の3ステップで回すことです。集め直し・打ち直し・校正のやり直しをなくせば、教材づくりは一気に軽くなり、生成AI活用で課題になりがちな問題の質も、実際の入試問題を使うことで担保できます。
ステップ①:探す――手元に検索できる問題データベースを持つ
単元・大学・出題形式・科目などの条件から、必要な問題をその場で引き出せる状態をつくります。「大学サイトを渡り歩く」「本棚から過去問集を探す」といった入手の手間が、検索一発に置き換わります。ここが3ステップの起点であり、時短効果が最も大きい部分です。
ステップ②:選ぶ・編集する――ここに先生の力を集中する
検索でヒットした問題群から、生徒のレベルや到達目標に合わせて取捨選択し、組み合わせます。「基礎の確認から入る」「頻出テーマを重点的に」「難度を段階的に上げる」といった教材設計は、まさに指導者の専門性が発揮される部分です。入手と打ち込みを機械に任せた分、ここに時間と頭を使えるようになります。
ステップ③:出力する――打ち直し・体裁調整なしで配布形式へ
選んだ問題を、演習プリントやテストの形式でそのまま出力します。問題文や図表がデータとして収録されていれば、打ち込みも図表の作り直しも不要で、体裁も整った状態で出力できます。手入力を挟まないため、入力ミスの校正という工程そのものが大きく減るのが、この方式の見落とされがちな利点です。
データベースソフト「Xam」「センターTen」 ――用途別の使い分け
両ソフトはどちらも「検索して出力する」という時短の考え方を実装した指導者向けソフト(Windows 10/11対応)ですが、収録している問題の種類が異なります。ざっくり言えば、Xam=全国の大学の一般選抜問題を横断的に、センターTen=共通テスト・センター試験の過去問を縦に深く、というすみ分けです。年内入試のどの対策をしたいかで、主役の製品を選びましょう。
比較項目 | Xam(イグザム) | センターTen |
|---|---|---|
収録内容 | 全国の国立・公立・私立大学の一般選抜入試問題・解答 最大約300大学、解答は約70~80%収録(いずれも科目によって異なる) | 大学入学共通テスト全6年分 本試験・追試験の問題・解答・解説 |
科目 | 英語/ 国語 / 数学 / 物理 / 化学 / 生物 / 日本史 /世界史 / 地理 / 公民 / 地学・情報 / 総合問題・小論文 | 英語(リーディング・リスニング) |
主な機能 | 内容から検索→Word出力→自動テスト作成 | 問題素材を検索→選択・編集→印刷・出力 |
こんな対策に向く | 教科の学力型・一般併願の演習、小論文・総合問題対策 | 共通テスト利用型 |
年内入試対策での具体的な作成例
実際の指導場面で、2つの製品をどのように活用するか、代表的な3つのケースで見ていきます。
作成例①:基礎学力型の類題演習(Xam)
基礎学力テスト型の総合型・学校推薦型(東洋大学「総合型選抜 基礎学力テスト型入試」や昭和女子大学の基礎学力テスト型など)では、英語+国語または数学といった教科の基礎学力が問われ、11月試験・12月合格発表と年内に学力で合否が決まります。対策としては、志望大学と同レベル・同形式の問題を数多く解かせることが有効です。Xamで「対象大学・科目・単元」から類題を検索し(探す)、生徒のレベルに合わせて基礎~標準を組み合わせ(選ぶ)、演習プリントとして自動作成する(出力)――この流れで、志望校の傾向に沿った演習をレベル別に量産できます。
※大学別の方式・科目・日程は年度により異なります。2027年度は各大学の最新要項をご確認ください。
作成例②:小論文・総合問題の演習素材づくり(Xam)
2027年度入試では、総合型・学校推薦型で「面接」が原則必須化されるなど選抜の多面的評価が強まり、小論文・総合問題の比重も引き続き重要です。Xamは2026年のリニューアルで「総合・小論文」を刷新しており、学部別・テーマ別の出題素材を検索して、頻出テーマの演習に組み立てられます。「志望学部で問われやすいテーマを集めて、段階的に書かせる」といった演習計画を、素材集めの手間なく設計できます。
作成例③:共通テスト形式の演習・小テスト(センターTen)
共通テスト利用型の年内入試(共通テストのみで受けられる学校推薦型を実施する大学もあります)や、一般選抜併願を見据えた共テ対策では、共通テスト形式に慣れる演習が欠かせません。センターTenなら共通テスト+センター試験37年分から、科目・分野を絞って問題素材を検索し、共通テスト形式の演習教材や小テストとして印刷・出力できます。新課程で加わった「情報Ⅰ」対策の教材づくりにも活用でき、年度をまたいだ計画的な演習が組めます。
▶ Xam・センターTenの無料体験版・資料請求はこちら(製品ページへ)
時短で生まれた時間を「指導」へ振り向ける
「探す→選ぶ→出力」で入手・打ち込み・校正を圧縮する最大の狙いは、作業を速くすること自体ではなく、削れた時間を生徒に向き合う指導へ再投資することにあります。過去問を集めて打ち込んでいた放課後の時間が、小論文の添削、面接練習の相手、志望理由書の相談、生徒一人ひとりの進路面談に変わる――ここに教材時短の本当の価値があります。教材の「質」を落とさずに「作る時間」だけを削れるからこそ、指導の総量はむしろ増やせます。
導入の流れ・無料体験
Xam・センターTenはいずれもWindows 10/11対応の指導者向けソフトです。導入を検討する際は、まず無料体験版・資料請求で操作感と収録内容を確かめるのがおすすめです。一般的な流れは次のとおりです。
- 資料請求・無料体験版の申し込み:製品ページから申し込み、収録範囲や機能を確認します。
- 試用:普段の教材づくりで「探す→選ぶ→出力」を実際に試し、どれだけ時短になるかを体感します。
- 導入・活用:担当科目・対策別に、どちらの製品を主役にするか(あるいは両方)を決めて運用します。
詳しい仕様・最新の収録内容は製品ページでご確認ください。
よくある質問(Q&A)
Q. XamとセンターTen、どのような違いがありますか?
A. Xamは全国の大学入試および共通テスト本試験の問題・解答を収録した年度ごとの製品です。解答の収録率は科目により異なります。
センターTenは、最新の共通テストから過去のセンター試験までをカバーし、一部を除き解答・解説・リスニング音声も収録しています。共通テスト利用型の対策としては、センターTenをお使いいただくのがおすすめです。
Q. Xamは総合型・学校推薦型の対策にも使えますか?
A. 学力試験の対策としてご活用いただけます。また、2026年のリニューアルで「総合問題・小論文」が追加されました。収録されているのは一般選抜の問題ですが、総合型選抜・学校推薦型選抜に必要な思考力・記述力の養成にご活用いただけます。特に、小論文は書き方を学び、慣れるための演習教材としておすすめです。出題が予想される分野や文字数で絞り込みも可能です。
まとめ
年内入試対策の教材づくりが重いのは、「入手・打ち込み・校正」という3つの準備作業に時間を奪われるからです。まずは入手源のリスト化・教材の資産化・OCRや生成AIの活用・校正のチェックリスト化といった進め方の工夫で軽くできます。それでも残る「質の担保された問題を条件で素早く集める」部分は、検索できる問題データベースを土台に「探す→選ぶ→出力」で回せば大きく圧縮できます。大学別の学力型・小論文はXam、共通テスト形式・情報ⅠはセンターTen――用途で使い分ければ、年内入試の多様な演習教材を短時間で用意できます。そうして生まれた時間を、添削や面接練習など生徒に向き合う指導へ振り向けましょう。まずは無料体験版で、教材づくりがどれだけ変わるかを確かめてみてください。
▶ Xam・センターTenの無料体験版お申し込みはこちら(製品ページへ)


※本記事のデータは2025〜2026年度時点の公表値、制度・変更点は2027年度入試(令和9年度)に関する情報に基づきます。大学別の方式・科目・配点・日程は年度により異なるため、必ず各大学の最新の募集要項をご確認ください。製品の収録範囲・機能は変更される場合があり、最新情報は製品ページでご確認ください。
出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)」および「令和9年度大学入学者選抜実施要項」、東洋大学・昭和女子大学 入試情報、Xam・センターTen 製品情報(株式会社ジェイシー教育研究所の自社資料)に基づく。製品仕様は自社資料に基づきます。

