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公募推薦とは?仕組み・日程・総合型選抜との違いと、先生が押さえる指導のポイント【2027年度入試対応】

2026.10.30 更新日:2026.10.30
公募推薦(公募型の学校推薦型選抜)の定義を文部科学省の実施要項で確認し、指定校推薦・総合型選抜との違い、出願要件と選考方法の型、2027年度の日程例、高3の年間スケジュール、先生が押さえる指導のポイントと確認チェックリストをまとめました。

公募推薦とは、学校推薦型選抜のうち、大学が出願できる高校を限定せず広く募集する方式の一般的な呼び方です。出身高等学校長の推薦を受けて出願し、調査書を主な資料として評価される点は指定校推薦と同じですが、高校ごとの推薦枠はなく、評定平均の基準や専願・併願の扱いは大学ごとに異なります。

本記事では、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」に基づく位置づけを確認したうえで、指定校推薦・総合型選抜との違い、出願要件と選考方法の型、2027年度(令和9年度)の日程例、年間スケジュール、指導のポイントとチェックリストを整理します。

現場の課題

公募推薦は指定校推薦と混同されやすく、評定平均の基準や専願・併願の扱いが大学ごとに異なることも、生徒・保護者に伝わりにくい点です。説明の軸を「実施要項で決まっていること」と「大学ごとに異なること」に分けて整理しておくと、面談での説明が安定します。

公募推薦の定義|実施要項における学校推薦型選抜の位置づけ

文部科学省の実施要項に「公募推薦」「指定校推薦」という用語はありません。実施要項で定められているものは「学校推薦型選抜」であり、「出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ、以下の点に留意して評価・判定する入試方法」と定義されています。公募推薦・指定校推薦は、この学校推薦型選抜を、高校を限定せず広く募集するか(公募型)、大学が出願できる高校を指定して募集するか(非公募型)という運用上の区別で呼び分けたものです。実施要項の面接に関する条文には、「非公募型の学校推薦型選抜」という表現があります。

2027年度入試の実施要項で、公募推薦に関わる主な定めは次のとおりです。

  • 推薦要件の明示:大学は「推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項等により示さなければならない」とされています。評定平均などの基準は大学が募集要項で示すものであり、実施要項に一律の数値はありません。
  • 推薦書の記載内容:大学は「推薦書の中に、大学・学部等のアドミッション・ポリシーに対応する志願者本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素に関する評価についての記載を求める」とされています。
  • 出願と合格発表の時期:「入学願書受付を令和8年11月1日以降とし、その判定結果を令和8年12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)に発表する」と定められています。
  • 面接の原則実施:「志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う」とされています。ただし、例外として「高等学校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができる」とされています。この例外は非公募型が対象のため、公募推薦では面接による評価が課されることが基本と考えられます。

年内入試全体の仕組みについては、「年内入試とは?大学受験の新しいスタンダード」で解説しています。

指定校推薦との違い

どちらも学校推薦型選抜であり、学校長の推薦と調査書が必要な点は共通です。違いは次の点に表れますが、いずれも大学ごとの運用によるため、募集要項での確認が前提です。

項目

公募推薦(公募型)

指定校推薦(非公募型)

出願できる高校

推薦要件を満たせば、原則としてどの高校からも出願できる

大学が指定した高校のみ

推薦枠

高校ごとの枠はない(1校あたりの推薦人数に上限を設ける大学はある)

高校ごとに人数枠が示されることが多い

校内選考

推薦の可否を学校が判断する。推薦人数に上限がある場合は校内選考を行う

枠を超える希望者がいる場合は校内選考を行う

専願・併願

専願の大学と併願可の大学がある

入学確約を前提とする運用が一般的

指定校推薦の校内選考については、「指定校推薦の校内選考 基準づくりガイド|公平性の担保と規程・評価表の作り方【2027年度入試対応】」で扱っています。

総合型選抜との違い

総合型選抜は、実施要項で「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と定義され、「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格に鑑み、志願者本人の記載する資料を必ず評価に活用する」とされています。公募推薦との主な違いは、次の3点です。

  • 推薦の要否:公募推薦は学校長の推薦が必要です。総合型選抜は本人の意志で出願でき、基本的に学校長の推薦は不要です(自己推薦書などの提出を求める大学はあります)。
  • 出願・合格発表の時期:公募推薦は、出願が11月1日以降、合格発表が12月1日以降です。総合型選抜は「入学願書受付を令和8年9月1日以降とし、その判定結果を令和8年11月1日以降に発表する」とされています。
  • 主な評価資料:公募推薦は調査書を主な資料とし、推薦書、小論文、学力試験などを組み合わせます。総合型選抜は、志願者本人が記載する資料を評価に活用することとされています。

評定平均の要否や専願・併願の扱いは、「総合型選抜か学校推薦型選抜か」ではなく、大学ごとの募集要項で決まります。両者の詳しい比較については、「総合型選抜と学校推薦型選抜の違い完全ガイド|比較表と指導の判断軸」をご覧ください。

出願要件の一般的な項目|すべて大学ごとに異なる

  • 評定平均(全体の学習成績の状況):基準を設けない大学、全体で一定値以上を求める大学、特定教科の評定を条件にする大学があり、同じ大学でも学科によって基準が異なる例があります。
  • 卒業年度(現役・既卒):卒業見込みの者に限る大学と、卒業後一定年数以内の既卒者も認める大学があります。
  • 専願・併願:入学確約を条件とする専願制の大学と、他大学との併願が可能な大学があります。
  • 1校あたりの推薦人数:上限を設ける大学があり、その場合は校内選考が必要です。
  • 資格・検定、出欠状況など:外国語の資格・検定のスコアを要件や加点の対象とする、出欠状況を要件に含める、専門学科・総合学科の出身者向けの方式を設けるなど、大学ごとに独自の要件があります。

選考方法の型|4つのパターン

調査書・推薦書に何を組み合わせるかによって、おおむね次の4つに分かれます。配点や調査書の点数化の有無は、大学ごとに異なります。

  1. 書類+面接型:調査書・推薦書・志望理由書などの書類審査と面接で判定します。
  2. 小論文型:小論文(論述)を課し、書類・面接と合わせて判定します。
  3. 学力試験型:大学独自の学力試験(英語・国語・数学など)の得点に、調査書の点数を加算して判定します。
  4. 大学入学共通テストを課す型:共通テストの成績と書類などで判定します。出願や合格発表が年明けになる場合があります。

2027年度の日程例|募集要項を確認できた大学

2027年度の募集要項が公式サイトで公表されている大学から、選考方法の型が異なる5校を例示します。出願前には、最新の募集要項をご確認ください。

大学・方式

出願期間

試験日・合格発表

主な要件・選考

日本女子大学 学校推薦型選抜(公募制)

2026年11月1日〜11月19日

試験:12月6日/発表:12月11日

第一志望・入学確約(専願)。全体の学習成績の状況の基準は学科により異なる。書類・小論文・口述試験で総合判定

学習院大学 法学部政治学科 学校推薦型選抜(公募制)

Web出願:2026年10月19日〜11月4日/書類郵送:11月1日〜11月5日(必着)

1次発表:11月20日/最終選考:12月5日/最終発表:12月11日

第一志望・入学確約(専願)。全体の学習成績の状況3.8以上、指定の英語資格・検定試験の基準あり。1次は書類、最終は筆記(英語・論述)と面接

龍谷大学 公募推薦入試〔総合評価型〕

2026年11月1日〜11月11日

試験:11月23日・28日・29日(3日間受験できる)/発表:12月11日

他大学との併願が可能。学校長の推薦。大学独自試験の得点に調査書の点数を加算し、事前課題「大学入学希望理由」も評価

岡山大学 学校推薦型選抜Ⅰ(共通テストを課さない)

2026年11月4日〜11月10日(必着)

試験:12月5日/発表:12月21日

入学確約(専願)。全体の学習成績の状況4.3以上などの基準と推薦人数の上限は学部により異なる。書類・小論文・面接

横浜市立大学 公募制学校推薦型選抜

2027年1月5日〜1月22日

試験:大学入学共通テストを利用/発表:2027年2月10日

入学確約(専願)。学校長の推薦。共通テストの成績と書類審査

同じ「公募推薦」でも、専願か併願可か、学力試験の有無、合格発表の時期まで幅があります。方式名だけで判断せず、募集要項を生徒と一緒に読むことが指導の出発点です。

年間スケジュール|高3の流れと高1・2からの準備

高3の流れは、11月1日以降の出願から逆算して組みます。以下は一般的な進め方の例であり、時期は大学や学校により前後します。

  • 夏(7〜8月):志望大学の2027年度募集要項の公表状況を確認し、出願要件と選考方法を把握する。前年度版しか公表されていない場合は、公表され次第再確認する。
  • 9〜10月:校内の推薦手続き(推薦願の提出、推薦人数に上限がある場合の校内選考)、推薦書・調査書の作成、志望理由書・小論文・面接の準備を進める。
  • 11月:出願する。Web出願と書類郵送で期限が異なる大学があるため、期限を確認する。
  • 11〜12月:試験を受け、合格発表を確認する。専願の大学に合格した場合は、入学手続きの期限を確認する。
  • 不合格だった場合:一般選抜などへ切り替える。公募推薦の受験期間中も一般選抜の学習を続ける前提で、計画を立てる。

高1・2の段階では、評定平均は高1の成績から積み上がることと、資格・検定のスコアが要件や加点の対象になる大学があることを伝えておきます。高2の面談で評定と資格の現状を確認しておくことで、高3になってから基準に届かないと分かる事態を防ぐことができます。

先生が押さえる指導のポイント

1. 募集要項の読み方を型にする

「出願資格」「推薦要件」「選考方法」「日程」「入学手続き」の5か所を順に読み、後述のチェックリストに転記する習慣をつけると、見落としが減ります。出願期間は、Web出願と書類郵送で期限が異なることがあるため、2種類の期限があるものとして確認してください。

2. 専願・併願を生徒・保護者と確認する

専願制の大学は、「合格した場合は入学を確約できる者」などを出願資格としています。学校長の推薦を前提とする約束であり、辞退は次年度以降の推薦にも影響する可能性があります。出願前の三者面談で専願の意味と入学手続きの期限を説明し、確認した内容を記録しておきます。

3. 推薦書・調査書を早めに準備する

推薦書には学力の三要素に関する評価の記載が求められ、様式は大学ごとに異なります。依頼を受けたら、様式と提出期限を最初に確認し、調査書の記載(評定・出欠・活動の事実)と矛盾がないよう突き合わせます。推薦人数に上限がある大学では校内選考の後に作成に入るため、出願期間から逆算して校内の締切を設定します。

4. 面接による評価への対応

2027年度入試から、学校推薦型選抜では面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含み、オンラインによる実施を含む)による評価が原則として行われます。学力試験を課す型でも、事前課題などで意欲や適性を評価する場合があるため、募集要項で実施形態を確認し、志望理由書と推薦書の内容を生徒本人が説明できるように準備しておきます。

そのまま使える資料

資料1:募集要項確認チェックリスト(大学ごとに1枚)

確認項目

記入欄

確認のポイント

年度・方式名

2027年度/方式名:

前年度の募集要項との取り違えの有無

推薦人数

1校あたり 人以内/制限なし

上限がある場合は校内選考の要否

評定平均の基準

全体 以上/教科別:

学科ごとの違い、対象となる学期の範囲

専願・併願

専願/併願可

入学確約の文言の有無

資格・検定

要件/加点/なし

スコアの有効期限

選考方法・配点

書類/面接/小論文/学力試験/共通テスト

調査書の点数化、面接の実施形態

出願期間

Web: 〜 /郵送: 〜 (必着・消印有効)

Web出願と書類郵送の期限

試験日・合格発表

試験: /発表:

一般選抜の日程との重複の有無

入学手続き期限

 月 日まで

他大学の合格発表日との前後関係

資料2:生徒・保護者向け説明の要点

  • 公募推薦は、学校長の推薦を受けて出願する入試ですが、指定校推薦と異なり高校ごとの枠はありません。推薦要件を満たし、学校長の推薦を得られれば出願できますが、合格が保証される入試ではありません。
  • 評定平均の基準、専願・併願の扱い、学力試験や小論文の有無は、大学ごとに異なります。志望大学の2027年度募集要項を一緒に確認します。
  • 専願の大学に合格した場合は、入学が前提になります。出願前に、進学先についてご家庭の意思が固まっているかの確認が必要です。
  • 面接(オンラインを含む)による評価が原則として行われます。志望理由を自分の言葉で説明できるよう準備が必要です。
  • 不合格だった場合に備えて、一般選抜の学習は並行して続けます。

ケース別の判断

評定平均が基準にわずかに届かない生徒:評定平均の基準は出願資格として定められているため、届かない場合は、原則として出願できません。対象となる学期(最終学年の1学期まで、前期までなど)は大学ごとに異なるため、まず募集要項で確認します。届かない場合は、評定平均の基準を設けない方式や学力試験型、総合型選抜も含めて選択肢を広げます。

専願の公募推薦と一般選抜を両方考えている生徒:合格した場合は入学が前提となり、一般選抜で他大学に進学できなくなることを、本人と保護者が理解しているかを面談で確認します。迷いがある場合は、併願可の方式も含めて再検討します。

よくある質問

Q. 公募推薦と指定校推薦は、どちらが合格しやすいのですか?

A. 一概には言えません。公募推薦は出願できる高校が限定されず、指定校推薦は枠内の校内選考を経て出願するなど、仕組みが異なります。どちらも合格を保証する入試ではないため、大学・学部ごとの募集要項と選考方法を確認したうえで判断してください。

Q. 公募推薦は、他大学と併願できますか?

A. 大学ごとに異なります。入学確約を出願資格とする専願制の大学と、他大学との併願が可能であることを明記している大学があります。募集要項の出願資格の欄で確認してください。

Q. 評定平均の基準は、どのくらいですか?

A. 実施要項は一律の数値を定めておらず、大学・学部・学科ごとに募集要項で示されます。基準を設けない大学もあれば、全体の学習成績の状況で3.8以上、4.3以上などと定める大学もあります。

Q. 公募推薦で不合格だった場合、一般選抜の出願に間に合いますか?

A. 実施要項では、学校推薦型選抜の判定結果を「一般選抜の試験期日の10日前まで」に発表するよう定められています。ただし、一般選抜の出願期間と公募推薦の合格発表日の前後関係は大学ごとに異なるため、出願を予定している大学の日程を並べて確認してください。

まとめ

公募推薦は、実施要項上の「学校推薦型選抜」を、大学が高校を限定せずに募集する運用上の呼び方です。学校長の推薦と調査書、11月1日以降の出願、12月1日以降の合格発表、面接による評価の原則実施は、実施要項で定められています。一方、評定平均の基準、専願・併願の扱い、推薦人数、学力試験や小論文の有無は、大学ごとに募集要項で決まります。「実施要項で決まっていること」と「大学ごとに異なること」を分けて説明し、募集要項の確認をチェックリストで型にすることで、面談での説明が安定し、出願時の見落としも防ぎやすくなります。

参考・出典

※ 本記事は2026年10月時点の公表情報に基づいています。各大学の出願要件・日程・選考方法は変更される場合があるため、出願前に必ず2027年度(令和9年度)の募集要項でご確認ください。本記事は合否を保証するものではありません。最終更新:2026年10月

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